こんにちは,東大生塾講師のルナです。Twitterを見ていると「滑り止め対策ってどれくらいすればいいのかな?」と悩んでいる人が結構見受けられたので,解説しようと思います。これについては僕も受験生当時は悩みましたし,受験生を指導していて毎年のように聞かれます。
結論から言っておくと,滑り止めや第2志望以下は最低3回以上過去問を解くことが望ましい(共テ利用は例外)です。比較的合格確率の高い大学が滑り止めになりますが,絶対合格しておきたい大学なので受験3日前くらいから1日1年分過去問を解くのが望ましいです。
ただ,受験パターンによってかなり日程の組み方や対策方法が変わるため,記事の最後で代表的な3パターンのポイントを説明しておきます。
それって本当に「滑り止め」ですか?
最初に注意喚起なんですが,実力不相応の学校を「滑り止め」としている人を時々見かけます。その学校は模試でほぼ毎回A判定ですか?過去問見て8割以上確実に取れそうですか?そうでないなら「滑り止め」なんて呼び方をしない方がいいです。足元掬われますよ。「東大志望だからMARCHは滑り止め」ではないんです。「東大志望だけどA判定が毎回出るのは日大だから,日大が滑り止め」という判断をしなければならないのです。
入試はレベルが近い集団で競い合う事になるため,自身が受験者内で圧倒的に上位でない限り甘く見てはいけません。滑り止めに選ぶ大学は,多少行きたくなくても浪人回避や保険としてきちんと確保しておきましょう。
このことを踏まえ,以下では大学の志望度と合格可能性に応じた対策の方針を示したいと思います。
滑り止め(合格確率90%以上)の対策
合格確率90%以上を見込める大学は,基本的にほぼ対策は不要と考えて構いません。理想は共通テスト利用で合格することです。共テ利用がない場合や一般も受験する場合は,出題傾向を掴む意味で2, 3年程度過去問を解いておくことが望ましいです。
滑り止めには試験の空気に慣れ,第1志望のシミュレーションをする意味や合格を取っておくことで保険をかける意味があるので,確実に合格できるよう最低限の対策をしても損はないでしょう。滑り止めとはいえ,過去問から学べることも多少はあるでしょうし。
第2志望~の対策
第2志望以下の大学は志望度や日程,問題の難易度,第1志望との出題傾向の類似性などによって解くべき過去問の量が変わります。基本的に滑り止め同様最低3年以上,できれば5年以上過去問を解くことを勧めています。本命と第2志望,第3志望の難易度があまり変わらないようなケースは特に,第2, 3志望の過去問演習が本命に生きてくるケースも多いですから,問題の難易度や出題傾向などを軸に解く過去問の量や対策期間を調整しましょう。
本命の入試と1週間程度しか空きがない場合,第2志望に本腰を入れすぎると後に響いてしまうため,基本的にそこまでガッツリ対策することは勧めません。しかし,第2志望のところも通いたい気持ちが強い場合は,ガッツリ対策してもいいでしょう。
また,国公立の場合は第2, 3志望が中期日程や後期日程になることが多く,そのような場合,1週間ほど余裕をもって対策できますから,国公立中期・後期を受験する人は前期日程ど同様に過去問を5~10年ほど解いて対策することが好ましいでしょう。
パターン1:私大のみを受験する場合
私大のみを受験する場合,共通テストから第1志望の受験が終わるまでの日程が短く,勉強時間の配分をかなり工夫する必要があります。
私大入試は日程が連続することが多いため,全ての大学を対策することは難しいです。生徒にオススメしている方法は
- 共テで滑り止めを絶対に抑える
- 第1, 2志望の過去問を最低5年以上
- 一般入試を受ける滑り止めの過去問を3年
という方法です。第1, 2志望の大学に力を入れ,滑り止めは確実に取りに行き,それ以外の受験校は実力のみで突破しに行きます。とはいえ,第3志望以下の過去問も1回は解きたいですし,情報サイトなどで出題傾向だけでも調べておくといいでしょう。
パターン2:国公立第1志望,私大第2志望の場合
国公立前期に照準を当てているパターンでは,早慶の一般を受ける場合を除けば基本的に10日ほど私大入試から国公立入試まで確保できるため,第2志望の私大は1週間ほどかけて5年以上過去問を解くことができます。
基本方針としては
- 共テはできるだけ高得点を目指す
- 国公立の過去問を7年以上
- 第2志望の私大は1週間で5年分ほど過去問を解く
- 滑り止めは共テ利用が理想
- 利用が難しい場合3年以上過去問を解いて一般も受ける
となります。
パターン3:国公立第1, 2志望の場合
国公立を前期後期両方受ける場合です。この場合,国公立前期と後期の両方をきちんと対策し,私大も1校は重点的に対策することができます。
基本方針は
- 共テはできるだけ高得点を目指す
- 国公立の過去問は前期後期7年以上
- 私大は1校に絞り5年ほど
- 滑り止めは共テ利用が理想
- 利用が難しい場合3年以上過去問を解いて一般も受ける
- その他の私大は日程により相談
となります。
まとめ
今回は具体的な話が多く,色々な方向に話が飛んでしまったので最後にまとめておきます。
- 滑り止めは確実に合格できるところを選ぶ
- 保険の意味で滑り止めは持っておくのが良い
- 共テ利用で滑り止め合格が理想
- 一般を受ける場合は3年ほど過去問を解く
- 第2志望以下の大学は日程次第で方針が変わる
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